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大森ちゃんブログ

ねこは いない  (最終回)      (2009年12月27日 16:31)

 小さなテーブルをはさんだ向かい側に、目つきのするどい体格のいい男が座っている。この男は、刑事だった。

 刑事は、いすの背もたれにふんぞりかえった。

「おまえ、うそはやめろ」

「うそ?」

 男は、顔も上げずに言った。

「おれは、自分から自首してきたんです。今さら、うそなんかついて何になるんですか。おれが空き巣に入ったのは、今、しゃべった家が全部ですよ」

「いや、そうじゃない。なぜ、自首する気になったかだ」

「だから、さっきも言ったように・・・・・・」

「ああ、ねこだろ。空き巣に入った家のねこを抱いているうちに、自首する気になったんだな」

「そうです。こんなことをしている自分が情けなくなって・・・・・・。ただ、それだけです。うそなんか、つきませんよ」

「だがなぁ」

 刑事は、机の上に両手をのせて男の顔をのぞき込んだ。

「あの家の奥さんは、ねこアレルギーだそうだ。だから、今まで、ねこも犬も飼ったことはないそうだ」

 男は、刑事が何を言っているのかよくわからなかった。

「でも、ちゃんとねこはいましたよ」

「いいかげんなことを言うな。あの家の人は誰も、グレーのねこなんか見たことないそうだ」

 男は、刑事の方へ身をのりだした。

「そんなはずはありませんよ、刑事さん。絶対に、ねこはいました」

 そのあとの言葉を、男はぐっと飲み込んだ。あのとき抱いたねこのぬくもりを、まだ覚えている。ほほをなめる舌のざらざらした感触は、なぜかなつかしい気がした。

「ミーコに、そっくりなねこが・・・・・・」

                                                 おわり

 やっぱり遅れてしまいました。ごめんなさい。 いかがでしたか。また感想など聞かせて下さいね。年明けより第二弾を新連載始めます。お楽しみに。  では、皆様、よいお年を。

投稿者: おおもり

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